Round2 Iashikawa Hitoshi vs Syouyama Youhei

By Takahashi Jyunya

このラウンドは、ダイアリーノートというBlogの中でMTGプレイヤーから絶大的な知名度を誇る『傍観者』こと庄山洋平の対戦をフィーチャーしてみたい。
庄山"傍観者"洋平の使用デッキは、友人の工藤耕一にシェアして貰ったという青緑クロックパーミッション。

対する石川の使用デッキはステロイド。柏のイエローサブマリンで7〜8人のコミュニティーの中で腕に磨きを掛けているとの事である。

お互いにこの大会に向けての練習内容について聞いてみたところ、1週間前から合宿をしているという石川に対して、「マジック触るの2ヶ月ぶりです」となぜか自信満々に答える庄山がいた。

Game1
先手は庄山。初手は《森/Forest》2枚と《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》2枚、《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》2枚《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》というハンド。青マナが無いのが不安といえば不安だが、十二分に戦えるハンドである。

石川も少し迷った後にキープを宣言。

石川の《密林の猿人/Kird Ape》スタートに対し、庄山は《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》だ。土地を置くたびに強くなっていくこの生物が早いターンから登場するのは、対戦相手にとって相当な脅威だ。つまりは、早いタイミングでの除去の対象となるわけで、《火山の鎚/Volcanic Hammer》で育つ前に《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》を除去する。

除去を打たせてテンポを崩した庄山だが、もう1枚の《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》を育てる為のランドが止まってしまう。仕方無く《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を装備してアタック。石川は《グルールのギルド魔道士/Gruul Guildmage》でブロックして、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》にカウンターが2つ載る。

苦しい顔で十手を見つめる石川。その凶悪な装備品は確かにクリーチャーデッキの敵である。しかし、それに対抗するための回答策がステロイドにはある。《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》だ。悩みながらも庄山はレスポンスでの《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》の起動はなし。その隙に、石川は《密林の猿人/Kird Ape》で殴りつつ、さらに追加の《密林の猿人/Kird Ape》。
Magic: The Gathering
 絵がカワイイという人もいるが…

何とかしたい庄山のハンドを見ると、なんと《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》3枚! 島さえ引けば……。との思いが届いたのか、次のドローは待望の《島/Island》。《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》を出して《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を装備する。

だが、石川は火力を重ねてこの《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》を排除し、全力でアタック。最後のドローは《極楽鳥/Birds of Paradise》と、完全にかみ合わなかった庄山を石川が完全に上回って見せた。

石川 1-0 庄山



ここで、石川のサイドボーディングに着目してみたい。

【In】
2《踏み吠えインドリク/Indrik Stomphowler》
4《脅しつけ/Threaten》
【Out】
2《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》
1《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》
3《炎の印章/Seal of Fire》

こういったデッキの対決だとクリーチャーのサイズ勝負になるはずなのだが、石川はスラムとクロークをサイドアウト。代わりに入った漢の《脅しつけ/Threaten》4枚に庄山の運命は果たして……



Game2
先ほどは青マナ不在に泣かされた庄山だが、今回は充分なハンドが回ってきた。石川も同様だ。序盤からの高速展開は必至だ。

《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》から《密林の猿人/Kird Ape》というロケットスタートを決めた石川。庄山は、《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》か《木彫りの女人像/Carven Caryatid》のプレイかで悩むが、結局攻撃力優先で《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》を選択。

しかし、「待ってました」とばかりに飛んでくる《火山の鎚/Volcanic Hammer》。仕方なく、今度は《木彫りの女人像/Carven Caryatid》。3マナでビートダウンを止める力としては、《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》に次ぐ高性能だけに、「まずい」という表情を浮かべた石川。

Magic: The Gathering
《細胞形成》が除去になる!
《密林の猿人/Kird Ape》でアタックしてブロックした《木彫りの女人像/Carven Caryatid》に向かって《火山の鎚/Volcanic Hammer》を打ち込んで除去。だが、アドバンテージを取られてしまったので辛い展開だ。

これで主導権を取った庄山。《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》を召喚した後に《森/Forest》をプレイ。さらに《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》をプレイ。

アタックに行けない石川は、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》と《グルールのギルド魔道士/Gruul Guildmage》を追加するが……。庄山の次なる手は《細胞質の根の血族/Cytoplast Root-Kin》! 庄山のクリーチャーが、あっという間に大きく育っていく。

こうなったら、後は庄山の独壇場だ。《脅しつけ/Threaten》を《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》の能力でかわすと、《細胞形成/Cytoshape》で石川のクリーチャーを排除して一気に勝負を決めた。これが、青緑ビートダウンの正体だ!


石川 1-1 庄山



Game3
3本目も、2本目と同じような展開になった。

今度は、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》経由で《木彫りの女人像/Carven Caryatid》からプレイしてしっかり地上を固めると、《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》《細胞質の根の血族/Cytoplast Root-Kin》と連打して圧倒。

石川も火力と《密林の猿人/Kird Ape》《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》で対抗するが、サイズが違い過ぎる。さらに《細胞質の根の血族/Cytoplast Root-Kin》を追加した庄山を前に、石川が出来るのはチャンプブロックを繰り返すのみ。

筆者が1本目のサイドボード中にポイントに挙げた「サイズ勝負」で、ステロイドやZOOに対して優位を築くデッキを持ち込んだ庄山が、額面通りの戦いを披露した一戦だった。


石川 1-2 庄山

Result:庄山”傍観者”洋平 Wins!